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聞いたことある曲が多い!ゴスペルの歴史を知ろう!|ボイストレーニングVOAT

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誰か一人が歌い出すと会場全体が総立ちで手を叩いたりステップを踏んだりしたり、声を張り上げて全身全霊で歌う声の一体感などの要素から、ゴスペルは一定の人気を博しています。
今日のポップスもゴスペルを通して発展してきたといっても良いほどに、世界の音楽界において大切な位置にあります。
そんなゴスペルについてご紹介します。


■ゴスペルの歴史


ゴスペルの歴史は、アフリカ系アメリカ人の悲痛な歴史であります。
ゴスペル発祥の地はアメリカです。
アメリカには、世界各国にルーツを持つ様々な人種が集まって成り立っています。
17世紀に、多くのアフリカ人が故郷から遠く離れたアメリカに奴隷として強制的に連行されました。
奴隷として連行されたアフリカ系アメリカ人たちは、独自の言語や宗教を剥奪されてしまいました。
黒人奴隷の置かれた環境はあまりにも苛酷でした。
自由はまったく与えられることなく、生死は農園の白人経営者に委ねられ、365日は農園での重労働に従事しなければなりませんでした。
そうした過酷な生活を支えたのがゴスペル(福音)でした。
白人の主人たちの目を逃れて、キリスト教へ改宗して救いを与えるゴスペルを教会で歌うことで神に独自の賛美をささげるようになりました。
「虐げられた屈辱」、「家族や故郷から離れた寂しさ」、「明日への希望」など神を讃えたり、信者として生きる喜びを魂の叫びとして表現されています。


心のよりどころとして密かに口ずさんだ黒人奴隷たちの祈りの歌が、ゴスペルの起源と言われています。
アフリカ音楽特有のハーモニーやリズム、即興性とヨーロッパ賛美歌の音楽的・詩的感性が融合して、現在のゴスペルの基調となるスピリチュアル(黒人霊歌)音楽が生まれました。
その後、ジャズやロック、ブルースといった多様なジャンルの音楽と結びついて、現在も進化し続けています。
ソウルミュージックにはゴスペル・ミュージックが取り入れられ、ゴスペルミュージックにはR&Bやジャズの要素も投影されています。
宗教的な意味合いの強いゴスペルを日本人が歌うのは賛否ありますが、歌、ゴスペルを愛する世界中の人に親しまれているジャンルであることは間違いありません。


■ゴスペルにも種類がある?

ゴスペルは機能として6つの種類に分類することができます。
この種類の中で日本人に一番馴染みがあるのは(1) プレイズソングです。
テレビやCMでゴスペルが歌われることがありますが、大抵はプレイズソングが多いです。


(1) プレイズソング


主に礼拝の最初に歌われます。
全員で1?3曲程度を歌います。
スピード感があって躍動的なビートであることが多く、手拍子によるクラップを伴って歌われます。
礼拝の開始を華やかに盛り上げる機能があります。


(2) ワーシップソング


プレイズの直後に歌われます。
主に向かって、主に対して歌います。
多くの曲は、神様に対してあなたと二人称で呼びかけるように歌われます。


(3) インスピレーショナルソング


牧師による説教の直前に歌われます。
聖歌隊が歌うことが多いです。
聖書の内容に基づいた他者を励ますメッセージや、自分がどのようにして神に救われたかなどを歌います。


(4) オルターコールソング


これから入信する人に向けて、礼拝の最後に牧師が祭壇に呼ぶ際に歌われます。
ゆったりした曲調で、神様に自分を捧げるといった内容の歌です。


(5) オッファリングソング


礼拝の中間部に歌われます。
教会への寄付を求める内容で、躍動的な曲が多いです。
寄付の価値を強調するなど、神の恩恵を想起させる内容の曲が歌われます。


(6) コミュニオンソング


キリストの血の価値について語られる歌です。
教会の宗派や牧師のスタイルによって明るい曲調もあれば、ゆったりとした曲調もあります。


■聞いたことあるはず!ゴスペルの有名曲

(1)「Amazing Grace」

歌詞の中に「神」がよく登場してくるので、宗教的な雰囲気が賛美歌らしさを演出しています。 ジョン・ニュートンという教会の牧師さんが作曲した曲です。 この牧師さんは、アフリカから奴隷を連れてくる船の船長でした。 航海中に船が難破の危機に見舞われて、死の恐怖と戦いながら神に祈って生きながらえました。 奴隷に対してひどい扱いをしてきた自分が生かされた、という経験が改心のきっかけになって、数年後に牧師となったようです。 奴隷船での自分の愚かな行為を後悔しつつ、生きながらえて牧師となって仕事をしていることに神様の恩恵を感じて、この曲を作ったといわれています。 「私のような哀れな人間を導き、救って下さった天の恵みに感謝します」という内容も、作曲された経緯を知るとより重みを感じることができます。



(2)「Michael, Row the Boat Ashore」


邦題は「こげよマイケル」で、学校の音楽の授業で歌われることもあります。
この歌の原曲は19世紀のトラディショナルフォークで、アフリカから奴隷としてジョージア諸島に送られた黒人たちが歌っていた曲です。
ジョージア州の交通機関は航路のみで、物資を運ぶ漕ぎ手の黒人達がこの歌の原曲を歌いながら船を漕いでいたといわれています。



(3)「Oh Happy Day」


1993年公開のアメリカ映画『天使にラブソングを2』劇中歌として使われたゴスペル曲です。



(4)「Joyful Joyful」


ゴスペルソングとして広まった讃美歌のひとつで、ベートーヴェンが作曲しました。



(5)「Power to the People」


ジョンレノンが作った曲で、テレビのCMでも使用されました。
「人々に力を!」「労働者よ立ち上がれ!」と革命を呼びかけるメッセージソングで、とてつもないパワーを感じさてくれる曲です。



■ゴスペルを歌う有名アーティスト


(1)ボブ・ディラン


「Pass Me Not, O Gentle Saviour」
ゴスペルソングライターのファニー・クロスビーが1868年に書いた曲を、ザ・スタンレー・ブラザーズから習得したと思われるヴァージョンをレコーディングしました。
70年代末から80年代前半には「Precious Angel」などの「クリスチャン三部作」となるアルバムもリリースしています。


(2)サイモン&ガーファンクル


「Bridge Over Troubled Water(明日に架ける橋)」
ポール・サイモンが書き下ろして、サイモン&ガーファンクルが1970年にレコーディングしました。
その一年後にはアレサ・フランクリンが、よりゴスペル色の強いバージョンをリリースしました。


(3)ルイ・アームストロング


「Nobody Knows The Trouble I've Seen(誰も知らない私の悩み)」
奴隷制の時代に書かれて、1867年に発表されたこの力強い霊歌にルイ・アームストロングは感情と深みをもたらしました。


(4)ナット・キング・コール


「Down By The Riverside」
聖書の中の表象に溢れるこの曲は、ビング・クロスビー、ジョニー・キャッシュ、そしてヴァン・モリソンといった、数多くの一流ミュージシャンによってレコーディングされてきました。


(5)アレサ・フランクリン


「There Is A Fountain Filled With Blood」
アレサ・フランクリンがまだ14歳だった時に、父親が牧師を務めるニュー・ベセル・バプティスト教会で、1956年にアルバム『Songs Of Faith』をレコーディングしました。
優れたパフォーマンスに溢れた本作には、18世紀イギリス人讃美歌作家詩人ウィリアム・クーパーが書いた讃美歌が収録されています。


(6)ブルース・スプリングスティーン


「O Mary Don't You Weep」
ゴスペルの歌に挑戦するのは、「その中に独自の場所を見出さなければならない」とブルース・スプリングスティーンはいっています。
「Bridge Over Troubled Water」のインスピレーションになった「O Mary Don't You Weep」は、ピート・シーガーやバール・アイヴスのバージョンなど幅広くレコーディングされています。


(7)チャンス・ザ・ラッパー


「Blessings」
2016年に発表した「Blessings」のタイトル「祝福」で分かる通り、ゴスペルは人々を魅了し続けています。
この情熱的で心を打つ曲にはゴスペル・シンガーのバイロン・ケイジがフィーチャーされて、ゴスペル全声聖歌隊のサウンドが曲を支えています。


(8)カーク・フランクリン


「Wanna Be Happy?」
アメリカのゴスペルシンガー。
ゴスペルにヒップ・ホップなどの音楽を取り入れた、アーバン・コンテンポラリー・ゴスペルというスタイルの曲を歌っています。
率いているクワイヤー(聖歌隊)は伝統的なスタイルではなく、ストリート感覚のある洗練されたファッションセンスがあります。
「人々を魂を創られた方のもとへと導くのがわたしのゴールなのです」と、2017年のアルバム『Losing My Religion』で12個目と13個目のグラミー賞を受賞しました。
「Wanna Be Happy?」には、アル・グリーンと歌う「Tired Of Being Alone」の一部が含まれています。


--終わりに

ゴスペルが生まれた背景を知ることで、新しい感動や価値観に遭遇してそれぞれの曲の印象が大きく変わったと思います。
そして、ゴスペルには宗教的な意味合いも含まれますが、大勢の人が絶妙なバランスで歌い上げるパワフルさは、なにより聴く者に元気を与えてくれます。
歌詞の内容も「人を愛すること」や「あきらめずに前を向いて生きること」を後押ししてくれています。
落ち込んだときや元気が出ないときには、ぜひゴスペルソングを聴いてみてください。
自然と前を向くことができるはずです。

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